ニール号遭難事故とフランス郵船

吉野山蒔絵見台。東京国立博物館蔵。沈没したニール号から引き上げられるまで1年以上海中にあったが、近年修復されて往時の輝きを取り戻した。出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/H-108?locale=…

歌人長沢美津、五島美代子、五島茂

五島茂(AleksandrGertsen, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で)2006年に亡くなった母は、短歌や俳句に長く親しんでいました。それに関する蔵書がたくさんあり、2011年に実家を改築する際、私が引き取ることになりました。といっても狭い家に置…

幸田文の小説『流れる』

(幸田文:AleksandrGertsen, Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で)2015年に義理の母が亡くなり、蔵書をいくらかもらってきました。その中に幸田文(あや)の小説『流れる』と、『幸田文全集』全23巻がありました。幸田文の名前は知っていても読…

Wikipedia執筆記事の記録:2023年3月 = Wikipedia Writing Article Record: March 2023

ウィキペディアのロゴ(Wikimedia Foundation, CC BY-SA 3.0)■Abstract: Ana Blandiana/Nina Sadur/Marina Wischnewezkaja/Doina Rotaru/Linda Catlin Smith/Tokyo Philharmonic Society/Panmusic Festival Tokyo2023年3月のウィキペディア執筆メモで…

シャリテーとワールド・ドクターズ・オーケストラ

「COVID 19パンデミック時のオーケストラ演奏に関する声明」2020年8月改訂版新型コロナウィルスの猛威が世界中に広がってきた2020年5月に、「COVID 19パンデミック時のオーケストラ演奏に関する声明」が、ベルリンのシャリテー大学病院の医師と、ベルリン・…

ベルリン音楽大学とグロボカール

坂本光太チューバ・リサイタル「Gewalt/Geräusch/Globokar (暴力/ノイズ/グロボカール)」 2020.3.1渋沢財団を退職してからしばらく務めた明治学院大学図書館に、学生アルバイトとしてやってきたのが坂本光太さんでした。1990年生まれの坂本さんは東京芸術大…

ルシア・ベルリンとファミリーサーチ

ルシア・ベルリン『掃除婦のための手引書』新聞の書評欄にオードリー・ヘップバーンとソフィア・ローレンを足して二で割ったような美人が火の付いた煙草を手に持ち、その印象と全くギャップのある『掃除婦のための手引書』という書名があって、思わず見入っ…

翻訳に挑戦─マキューアンの小説『贖罪』

イアン・マキューアン、2011年パリ(Thesupermat, CC BY-SA 3.0, ウィキメディア・コモンズ経由で)2019年3月、「21世紀に書かれた百年の名著を読む【第1回】仲俣暁生X藤谷治「イアン・マキューアン『贖罪』を読む」というイベントがあることを知りました。…

Wikipedia執筆記事の記録:2023年2月 = Wikipedia Writing Article Record: February 2023

ウィキペディアのロゴ(Wikimedia Foundation, CC BY-SA 3.0)■Abstract: Shimizu Choha/Gaziantep Airport/World Central Kitchen/Maria Stepanova/The Shibusawa Eiichi Denki Shiryo2023年2月は新規記事5件、加筆記事2件、翻訳記事6件、計13件の記…

渋沢財団での仕事(5)アーカイブズの話

『アーカイブへのアクセス』ほかここではアーカイブズとの関りを書いておきます。最初に就職したのは「あらゆる業種の情報が集まる」銀行でしたが、そこに集まっているのは一般の書籍・雑誌の他に、社史、政府刊行物、各種団体が出す灰色文献などがあるもの…

渋沢財団での仕事(4)『渋沢栄一伝記資料』

渋沢栄一 出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」 (https://www.ndl.go.jp/portrait/)渋沢財団で私が主に担当していたのはこれまで書いてきた仕事が中心でしたが、それ以外にも多くの業務に触れることになりました。その一つが、『渋沢栄一伝記資料』(以…

渋沢財団での仕事(3)海外へ発信:小出いずみさんのこと

『渋沢栄一記念財団の挑戦』『実業史研究情報センター実績集』私を渋沢栄一記念財団に誘ってくださった小出いずみさんは、国際文化会館で図書室長、企画部長を歴任されたあと、2003年に渋沢財団のスタッフとなられました。そして同年11月に発足した実業史研…

Wikipedia執筆記事の記録:2023年1月 = Wikipedia Writing Article Record: January 2023

ウィキペディアのロゴ(Wikimedia Foundation, CC BY-SA 3.0)■Abstract: Shizen-en/Hikozo Okami/Masayuki Nagatomi/Kazuko Nagatomi/Henriette Puig-Roget/Claude Delangle/Claudine Gay/Ōtemachi Resource Library Liaison Committee/Keidanren R…

渋沢財団での仕事(2)ブログの発信

ストック 2023-01-09 筆者撮影渋沢財団実業史研究情報センターでは「渋沢栄一や実業史に関する情報をウェブサイトから発信する」というのが仕事のミッションでしたので、2007年からそのツールとして「ブログ」を使ってみることになりました。「ブログ」自体…

渋沢財団での仕事(1)社史と変遷図

スイートピー 2023-01-09 筆者撮影2005年から2017年まで12年8か月、公益財団法人渋沢栄一記念財団実業史研究情報センター(2015年から情報資源センター)で、それまでの経験からは予想もできなかった「ウェブサイトから情報発信する」仕事をしました。どのよ…

渋沢栄一記念財団に至るまで

チューリップ 2023-01-09筆者撮影公益財団法人渋沢栄一記念財団(以下、渋沢財団)で仕事をするようになったいきさつには、長い長い物語があります。駆け足でそれをたどってみます。1977年に図書館学校を卒業して就職したのは、協和銀行でした。専門分野の資…

友達をウィキペディアに誘う

ウィキペディアのロゴ(Wikimedia Foundation, CC BY-SA 3.0 <,">https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で)2016年にウィキペディアの執筆を始めてから、しばらくは自分一人でああでもないこうでもないとやってい…

「古賀書店」の記事ができるまで

古賀書店閉店の貼り紙 2022年12月27日筆者撮影東京神田神保町にある古賀書店について知ったのは、おそらく40年以上前のことだと思います。音楽書の専門古書店で、本や雑誌のほかに楽譜も置いてありました。奥の方にはオーケストラのスコア(総譜)もあり、外…

ウィキペディア20年イベント

Wikipedia 20 JPN infromation paper japanese(Araisyohei, CC BY-SA 4.0 , ウィキメディア・コモンズ経由で)ウィキペディアの執筆は2016年が1件、2018年が4件、2019年が19件、2020年が33件と、右肩上がりで伸びてきました。2020年はコロナ禍で在宅勤務に…

ダンサー宮操子の物語

宮操子、ハチ、成岡正久小隊長(作者不明、Public domain, ウィキメディア・コモンズ経由で)WikiGapエディタソンで公開したダンサー宮操子(1907-2009)について、それまではウィキペディアで名前を検索すると本人の記事は無く、パートナーの江口隆哉(1900…

スウェーデン大使館でWikiGap

WikiGapのTシャツとマグカップいろいろのイベントに参加し何人ものウィキペディアンと出会った2019年ですが、さらに9月にはWikiGapエディタソンがありました。WikiGapとは、「Wikipedia上の人物に関する記事のうち、女性の伝記は2割程度だという状況を解消し…

さまざまなウィキペディアンと出会う

恩納村の名勝「万座毛」 筆者撮影2019-02-05ウィキペディア執筆は2016年以来ほとんど進んでいなかったのですが、2018年の図書館総合展でOpenGLAM JAPAN主催の「ウィキペディア・OpenStreetMap編集の実際」というイベントを見つけて申し込み、10月31日会場の…

最初は野上弥生子の小説『迷路』

野上弥生子『迷路』岩波文庫上下巻野上弥生子(1885ー1985)の名前は雑誌や新聞に彼女が書いた随筆でしか知らず、小説を読んだことはありませんでした。その野上が70歳過ぎに初めて中国を訪れ、毛沢東の活動の拠点であった延安へ行った話を新聞で読み、興味を…

OpenGLAM JAPANシンポジウム参加

東京工業大学博物館・百年記念館(Fumihiro Kato, CC BY 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by/4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で)ウィキペディアの編集方法について、一人でわかることは一通りやってみましたが、やはりどこかで誰かに教えてほし…

ウィキペディアことはじめ

ウィキペディアのロゴ(Wikimedia Foundation, CC BY-SA 3.0 <,">https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で)渋沢栄一記念財団の仕事でインターネットでの情報発信にかなり親しんできた2016年の年頭、そろそろウィ…

集合知を知る

大向一輝『ウェブがわかる本』「集合知」という概念を知ったのは、2005年から仕事をするようになった渋沢栄一記念財団でのことでした。その頃財団では業務に関係する勉強会が頻繁に行なわれていて、確か2006年頃開催された、渋沢敬三に関する研究がテーマの…

百科事典との出会い

ウィキペディアは百科事典なので、最初は百科事典の話です。子どものころ大学生の兄の部屋に、平凡社の世界大百科事典がありました。背表紙がずらっと並んでいたのを覚えています。中学生のころ家を建て替えたとき、応接間の本棚にブリタニカの百科事典がず…

ごあいさつ

古希祝いにいただいたスカーフウィキペディアの執筆を始めてから6年ほどになりました。これまでに新規および翻訳記事の作成と、既存の記事への大幅加筆を合計100件余り行ってきました。ここで一度立ち止まり、これまでの歩みをふりかえって書き留めておこう…