ウィキペディアことはじめ

ウィキペディアのロゴ(Wikimedia Foundation, CC BY-SA 3.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0>, ウィキメディア・コモンズ経由で)

渋沢栄一記念財団の仕事でインターネットでの情報発信にかなり親しんできた2016年の年頭、そろそろウィキペディアを始めてみようかという気になってきました。といって身近に詳しい人がいたわけでもなく、参考になる本も見当たらず、頭をめぐらした挙句、そうだ、ウィキペディアのことはウィキペディアに書いてあるのでは、と思い当たりました。

早速ウィキペディアの画面を開き、上にある検索窓に「ウィキペディア」と入れてみると、案の定記事が出てきました。目次には、概要、主な特徴、歴史、問題点、先行事例、姉妹プロジェクト、などという項目があがっていて、知りたいと思った以上にたくさんの情報が書かれていました。まずはその記事を一通り読み、おおよそのことを頭にいれました。問題点として想定される「記事の信頼性」や「名誉棄損」なども取り上げられていて、なるほどと思いながら読みました(因みにこの文章を書いている2022年の時点では、最初に読んだ時から内容がいろいろ改訂されています。過去の記事がどうだったかは全てさかのぼることができるので、実際に2016年時点にさかのぼって内容を確認しました)。

さてその記事の冒頭に、「本項目は、百科事典の記事としてウィキペディアを説明したものです。ウィキペディアからの簡単な自己紹介は「Wikipedia:ウィキペディアについて」をご覧ください。新規参加者への総合案内は「Wikipedia:ウィキペディアへようこそ」をご覧ください。」と書かれていました。つまり私が読んだのは百科事典の一項目だったわけで、次に自己紹介記事としてあげられている「Wikipedia:ウィキペディアについて」を読んでみました。こちらの項目は、ウィキペディアウィキペディア・プロジェクトについて、免責事項(要旨)、追加情報、事典記事の紹介、の4つだけの簡潔なものでした。「よくある批判への回答」へのリンクがあったので飛んでみると、なるほどウィキペディアは成長する百科事典なのだ、とよくわかってきました。

その次に新規参加者への案内「Wikipedia:ウィキペディアへようこそ」に飛んでみました。するとそこには「新しくウィキペディアへ参加される皆さんのための総合案内です」と書かれており、具体的なやり方がわかりやすく書かれています。これこそ私が探していたものだったので、このページを端から熟読していきました。

ウィキペディアに参加するには、「利用者名とパスワードを決めた方がいい」とありました。決めなくても参加はできるのですが、編集制限があると書いてあるので、せっかくだから利用者名とパスワードを決めてログインすることにしました。利用者名の決め方にも細かい解説があったのでそれもよく読み、よく考えて名前を決めました。もっとも今から思うと、もうすこし短くしておいたほうが便利だったか、などと感じています。

ウィキペディアが信頼されるフリーの百科事典であるための「五本の柱」があることも書かれていました。それは「ウィキペディアは百科事典です」「ウィキペディアは中立的な観点に基づきます」「ウィキペディアの利用はフリーで、誰でも編集が可能です」「ウィキペディアには行動規範があります」、そしてそれ以外に「ウィキペディアには、確固としたルールはありません」というものでした。それぞれに詳しい説明があったので、それもよく読みました。ここまで読むと、実際に書くまでまだまだたくさんのことを知らないといけないのかなあ、という気になってきましたが、ほんとにそうなのか相談する人もいないので、不器用な私が先に進むには仕方ありませんでした。実際にはそんなに読まずに記事を書く人がたくさんいるらしいことは、ずいぶん後になってわかってきました。

だいだい高い山に登るのに、山頂まで一気に進むロープウェイコースもあれば、健脚向けの登山コース、初心者向けの山道コースなどいろいろあるものです。私がとったのは景色を眺めながらゆっくり登る山道コースだったわけで、一人でもよし、グループで登ってもよし、ウィキペディアに決まりはありません。さらにウィキペディアンの中には最初から山には登らずに、途中の雑草をひたすら除去してくださってる方たちもたくさんいらっしゃるのでした。

さていろいろルールを読み進めましたが、いざ記事を書いてみようとするとやはり迷うことばかりです。練習は「サンドボックス」でやりましょう、とありますが、「サンドボックス」って何、という具合です。それでも、失敗しても他の人が書いた記事を壊すわけではない、と割り切り、たとえ壊しても履歴は全て残り、修復できると知りましたが、書き始めるにはまだすこし時間がかかりました。登山は一人でもできますが、やはりガイドがついてくださったほうが登りやすいのでした。