索引の話(2)団体名索引

村橋勝子『社史の研究』索引

索引の二つ目は「団体名索引」です。こちらは170ほどの団体名を並べました。ウィキペディアの記事に出てくる会社や団体名のほかに、典拠資料を調べに行った図書館名、知り合った方々の所属機関名、そして紹介した本の出版社名などです。出版社名は余分かなとも思いましたが、「あの出版社の本」といって探すこともあるので、最終的に取り込みました。法人格は省略してあります。

国立国会図書館(NDL)は、デジタルコレクションとかリサーチ・ナビなどいろいろなサービスを利用していますが、それは「事項索引」の方にまわしました。全ての索引を一緒に配列する「辞書体」配列もありますが、ここではかえってわかりにくいかと思い、分けることにしました。索引を作っていると、本文の中の表記の揺れを発見して統一したり、あえて統一せずにそのままにして索引上でわかるようにしたり、本文を書いているときには気付かなかった様々な発見があります。

ブログに載せた団体は、ブログの検索窓で探すことができますが、団体名がうろ覚えだったりすると、うまく検索できない場合もあります。冊子の索引であれば、全体を眺めて行けば「ああこの団体だ」と発見できることもあり、こうしたメリットは使った方でないとなかなかわかりにくいかもしれません。こうした漫然と情報を見ていくブラウジングの有効性は索引に限らず、開架式書庫や書店の書棚を見ていくメリットでもあります。

ここまで書いて、「ブラウジング」の意味が気になり確認しました。私がこの言葉を知ったのは図書館学校で、「特定の目的を持たずに書架を眺めていくこと」と習い、ずっとその意味に使っていました。ところがインターネットが発達した現在では、ブラウザを使って「ウェブ上で情報を閲覧すること」も「ブラウジング」と言うと知りました。確かに言葉は生き物です。

■参考