索引の話(1)人名索引

林達夫久野収『思想のドラマトゥルギー』の人名索引

ブログが本になるといってもまだ4か月も先なので、本づくりに関するあれこれをブログにメモしておくことにします。最初は索引の話。ブログにはいろいろな話題を取り上げたので、どこに何が書いてあるか目次だけでは探せないと思い、索引を充実させることにしました。索引作成は本来はページが確定した段階で行うのですが、それを待っていたら構想が固まらないので、原稿を出す前に仮作業をしました。始めたらどんどん考えが広がり、人名、団体名、事項、そしてWikipedia執筆記事名と、4種類も作ってしまいました。

まず「人名索引」ですが、これには本文に出てくる人名を200人近く載せました。ウィキペディアの記事に出てくる人名はもちろん、私がこれまでに出会った方々のお名前もたくさん載せました。ブログに載せた方に加え、後から本の原稿に追加した方も何人もいるので、こちらは書籍にのみ掲載です。またウィキペディア関連で出会った方の多くは、本名でなくハンドルネームで載せてあります。ウィキペディアのアカウントは本名で作ることもできますが、多くの方はハンドルネームを作っておられるからです。私もそうですが、ハンドルネームを使っていると、本名とは別人格を生きている、という気分になります。ちなみにこの本をハンドルネームで出すことも考えたのですが、こちらは本名で出すことに意義があると結論付けました。

人名の並び順は、漢字とカナ表記の人名は姓名の五十音順、アルファベット表記の人名は「姓, 名」と倒置してアルファベット順です。ここで「ハンドルネーム」をどうするか、という問題が発生しました。漢字カナ表記のものは五十音順の中に入れ込みましたが、アルファベット表記のハンドルネームの場合、たとえば「Asturio Cantabrio」さんはどれが「姓」でどれが「名」か、そもそも「姓名」という枠組みにはいるのか、悩ましいことになりました。そこで、ハンドルネームと考えられるものは全て倒置せず、そのままの表記でアルファベット順に入れ込みました。アルファベット表記は全部で20名ほどなので何の順でも探せますが、不思議な索引になりました。

さて索引について大きな問題は、そもそも若者の多くは巻末索引など使わない、という点です。博士号を持つKさんはZ世代、なんでも検索するインターネットの中で育ち、索引はおろか冊子体の辞書も使わないのでした。それを目の当たりにし、書籍巻末の索引はいったいどのくらい寿命があるのだろうと考えました。しかし心配しても仕方ないので、私の本では従来どおりの索引を作ってあります。そもそもインターネットにはだれかがどこかで入力した情報しかないのだから、私の本の索引はオリジナル情報です。本をごらんになったら感想をお聞かせください。

■参考