山本みづほ訳『パールハーバーの目撃者』を読む

パールハーバーの目撃者』水曜社、2022年

長崎で図書館に長年関わってらっしゃる山本みづほさんが、昨2022年に翻訳された『パールハーバーの目撃者』(水曜社)を読みました。1941年12月7日(米国時間)早朝、ハワイの真珠湾にあるフォード島で日本軍の攻撃を目撃した子どもたちの証言を集めた本です。フォード島には米国海軍の軍艦が集結していたのでした。真珠湾攻撃のことは歴史知識として知っていても、詳細を読んだことはなく、子どもたちの目に映った衝撃の数々に圧倒されました。

著者カトリーナ・ルクシャフスキーさんは2013年にフォード島に移り住み、歴史の証言者の記録を集め始めたのです。70年の時を経て現在は米国各地に住む証言者たちとインターネットを駆使して連絡をとり、集めた情報を『Ford Island December 7, 1941』という本にまとめ、2014年に自費出版されました。それと共に米国東海岸バージニア州バージニアビーチで、証言者たちの同窓会も開催されたのです。このルクシャフスキーさんと20年以上交流のあった山本みづほさんは12月7日生まれというのも、不思議な縁でした。長崎在住の山本さんがこの本を翻訳することで、時空を超えて歴史を未来に伝える挑戦をされた尊い志に、心から拍手を送ります。ウィキペディアの「フォード島」の参考文献にこの本を追加しておきました。

山本さんは図書館総合展2023の1day出展に参加され、10月25日(水)に「時を刻む、みづほんやさん」でこの本を販売されます。税込1,760円。前日の24日(火)には私の「70歳のウィキペディアン」ブースでも扱います。

■参考