図書館総合展出展奮闘記

図書館総合展2023「1day出展」10月24日の店先

社会的名声には無縁の私が本を出したところで、売れる見込みは全く予想できませんでした。友人知人が買ってくれてもたかが知れています。そんなことを考えていた春先、今年の図書館総合展は4年ぶりにリアル開催されるというのを知りました。図書館関係者がたくさん集まる図書館総合展で本を売ることができればいいなと思っていたところ、4月10日に来た案内に新たに「1day出展」を設置したとあり、1日5000円で机と椅子をひとつずつ貸してくれるというではないですか。営利団体は不可だが個人の出展はOK、物販もできる、とあり、これはもう私のための企画だ!と飛び上がりました。

そのころはブログを書き進めていて、出版社からは本にするには原稿を受け取ってから4か月、と言われていました。図書館総合展は10月24日と25日なので、4か月前を計算すると6月半ばになります。原稿をまとめる時間を考えると、5月中の記事までで終えて編集にかかる必要があります。そこまで計算したうえで、5月12日に総合展事務局に出展申込書を送りました。それからは毎日必死に原稿と向きあい、文章を練りなおしたり順番を整えたり画像を新たに取得したりしました。出版社には10月24日に本を出したいと伝え、6月半ばに原稿を渡しました。

それからの数ヶ月は、あがってきたゲラを校正したり、索引の原稿を整えたり、あっというまでした。ブログ自体はそのままにしていたので、『70歳のウィキペディアン』と書名が決まり書影ができてきたらそれを載せ、また目次の一覧を載せたり、いろいろとPRに利用することができました。メールマガジン『ARG』にも投稿し、それもブログに再掲載したりしました。自分の媒体を持っているのはなかなかいい、と改めて感じました。

開催が近づき出展者一覧が発表されると、1day出展には旧知の山本みづほさんも25日に参加され『パールハーバーの目撃者』を販売されるのがわかりました。それを知った高野一枝さんが、初日の私と2日目の山本さんが組んでそれぞれ相手の日でも本を売れば、と提案してくださいました。なるほど、と感心し、早速そのように進めることをブログやSNSで広報していきました。同じく出展するWikipedia展覧会のサイトでも私の本を載せてくださり、相乗効果でどんどん情報が拡散していった感じがします。

10月24日のブース(伊達深雪さん撮影)

さていよいよ10月24日火曜日、朝9時すぎにパシフィコ横浜へ行くと、既に高野さんと山本さんが机の準備をされていました。自分たちの本だけでなく関係者の本も並べることになり、にぎやかな本屋さんになりました。私も本を並べているとあっというまに開会時間となり、1時間ほどで10冊も売れてしまいました。関係者ではなく、ほとんど見ず知らずのお客さまでした。隣のブースは25日のみの出展だったので、椅子をお借りして山本さんと二人でお客様に対応し、サインをしたりしました。高野さんだけでなく、猫本犬本メンバーの笹川さん、名古屋から駆けつけた阪口さんなど、何人も手伝いに来てくださいました。秋田県横手市の石川さんや沖縄の呉屋さんなども買いにいらして、50冊持参した本は午後4時過ぎに売り切れました。この日を目標に何か月も準備してきたので、ありがたくもほっとした瞬間でした。終了後に猫本犬本メンバー中心に懇親会をしました。

10月25日の手作りポール

2日目の10月25日水曜日、9時過ぎから山本さんと準備。昨日はブースの場所がわかりにくいという声があったけど、壁には何も貼ることができないので、自宅から材料を持参して手作りポールを設置。山本さんと私の本のPOPを貼り、真ん中に「みづほんやさん」と書いた紙を貼り付けました。10時に開場すると早速昨日は見つけられなかったという方がやってきてくださいました。山本さんの本は地元で地域史の勉強会をしている若者とか、父親が海軍だったという年配の女性とか、様々な方が手に取ってくださいました。私の本は単なる個人のエッセイですが、山本さんの本はアメリカと日本、1941年と21世紀を繋ぐという、時空を超える力作です。「司書の本質は時空を超えて人と人を結ぶこと」というのが私のモットーなので、まさにそれを体現されている山本さんとご一緒できたのは何より嬉しかったです。この日は私の本もそこそこ売れてくれました。夕方は用事があったので少しだけ早じまいしましたが、充実した2日間になりました。

■参考