ウィキメディア財団理事選挙

ウィキメディア財団理事選挙の案内がメールで来ました。財団にメールを登録している利用者あてにきたもので、有権者の資格があれば投票できます。資格というのは、それまでに既定の編集回数をクリアしているとか、ボットやブロック対象者ではない、とかなので、私はOKなのですね。

理事会というのは定員16名で、その内訳はコミュニティおよび提携団体が選出する8議席、理事会が選出する7議席、創設理事の1議席、とあります。創設理事席はジミー・ウェールズの固定席です。理事の任期は3年で、今回は4議席の選挙であり、今年の5月に立候補が受け付けられ、12名が立候補していました。立候補者の要件は、英語が堪能、集団的意思決定機関の経験、ウィキメディア・ムーブメントの豊富な経験、の3つです。

候補者一覧のページにリストがあり、名前をクリックすると各人のメッセージが書かれています。立候補の理由、ウィキメディアにおける経験、財団の今後5-10年に最も優先すべき課題、その他について、候補者の信条を読むことができました。

これまではこうした案内が来ても他人事のように感じて何もしなかったのですが、先月参加したウィキマニアで知った何人もの名前を候補者に見つけ、俄然興味がわいてきました。こうした意思決定機関の選挙に私のような一編集者も参加できる、ということ自体も新鮮でした。そして全ての文書が公開され、いつでも誰でも読むことができるという仕組みも、だいぶ慣れてきたとはいえ新鮮でした。

候補者のメッセージを1人1人読んでいくと、いろいろなことがわかってきました。まず居住地は、アメリカ合衆国が3名、南アフリカが2名、イギリス、ドイツ、イタリア、ポーランド、ガーナ、ナイジェリア、そしてパレスチナ/イギリスが各1名。全世界という訳ではないにしろ、多様な地域であるのがわかります。アジアからの名前が無いのは残念ですが、きっと次回からは出てくることでしょう。ウィキメディアとの関りも多彩で、2000年代から始めた人が7名、2010年代からが4名、そして2020年代が1名!経験値の長い方は理事経験のある方も何人もおられましたが、若い方でもこれからのウィキメディア・ムーブメントを支えていく気概に溢れたメッセージを読むことができました。そして各人のことだけでなく、ウィキメディア・ムーブメントのかかえる課題についても、いろいろな側面を知ることができました。投票期間は9月3日から17日までです。

名前 居住地 WM経験
Bobby Shabangu (Bobbyshabangu) 南アフリカ 2013~
Christel Steigenberger (Kritzolina) ドイツ 2014~
Deon Steyn (Oesjaar) 南アフリカ 2009~
Erik Hanberg (Erikemery) アメリカ合衆国 2006~
Farah Jack Mustaklem (Fjmustak) パレスチナ/イギリス 2005~
Lane Rasberry (bluerasberry) アメリカ合衆国 2004~
Lorenzo Losa (Laurentius) イタリア 2004~
Maciej Artur Nadzikiewicz (Nadzik) ポーランド 2016~
Mohammed Awal Alhassan (Alhassan Mohammed Awal) ガーナ 2019~
Rosie Stephenson-Goodknight (Rosiestep) アメリカ合衆国 2007~
Tesleemah Abdulkareem (Tesleemah) ナイジェリア 2021~
Victoria Doronina (Victoria) イギリス 2006~