トークイベントをやりました = I held a talk event for my book

Talk event for "A 70-year-old Wikipedian"

2023年12月14日に谷中のブックカフェTAKIBIにて、私の本『70歳のウィキペディアン』をテーマにトークイベントを開催しました。参加者は私をいれて9人、ひざを突き合わせてなごやかで打ち解けた会話が飛び交いました。

話の構成は、(1)ウィキペディアとは何か、(2)ウィキペディアは誰がやっているのか、(3)私はどんな記事を書いてきたか、という3つで、ウィキペディアのことはウィキペディア自体にだいたい書いてあるので、それを紹介しながら話を進めました。参加者の多くが図書館関係者だったので、「図書館の魅力を語る」ことに注力しました。

(1)ウィキペディアとは何か
ここではウィキペディアの運営を担っている「ウィキメディア財団」と「ウィキメディア運動」について触れ、その目的「ウィキを用いたオープンコンテントの知的資源を開発するプロジェクトの促進と、その資源を無料で広告を用いずに広く公衆に提供すること」を紹介しました。また「Wikipedia:統計」のページも紹介し、世界各国また日本の参加傾向などにも触れました。

(2)ウィキペディアは誰がやっているのか
次に統計からみた世界のウィキペディアンの様相を概観し、「ウィキメディアの国別協会一覧」や「ウィキメディア・ドイツ」の記事も触れました。この2つの記事は最近私が日本語に翻訳したものです。日本に協会はないけれど、最近日本語版ユーザーグループが発足したことも話しました。ユーザーグループは現在146あるのですが、その中に「ウィキおばあちゃん利用者グループ」があるのを発見したので入ろうかと考えています。さらにウィキペディアンが年に一度集うウィキマニアにも触れ、そこで表彰される「ウィキメディアン・オブ・ザ・イヤー」と、その中の「新人賞」を今年日本人として初めて受賞されたユージン・オーマンディさんのことも紹介しました。ユージンさんは私の本について先日ウィキメディア財団公式ブログDiffに英語で記事を書いてくださっています。

(3)私はどんな記事を書いてきたか
ここでは本に載せた記事だけでなく、思い入れのある記事もいくつか紹介しました。まずウィキペディアに最初に書いた野上弥生子の小説『迷路』について触れ、今後書きたい続編のことも話しました。次に触れた『日本の交響作品展』は音楽の話題で、1次資料の演奏会プログラムだけでなく、演奏会評などが載った雑誌や書籍を典拠資料にいくつも使ったことを紹介しました。戦前に30年間ほど活動した『東京オーケストラ団』では、東洋音楽学校(現・東京音楽大学)創設者鈴木米次郎の教育者としての横顔に触れました。中国の文芸誌『今天』では、典拠資料を慶應大学図書館でたくさん閲覧できたこと、ドイツの大学病院『シャリテー』では、専門知識のない医学分野の記事を翻訳したこと、水産学者『ダニエル・ポーリー』では、水産関係図書を多く所蔵している港区立港南図書館に出向いたことを話しました。

ウィキペディアについて人前でまとまった話をするのは初めてでしたが、思いのほか良い手ごたえを感じることができ、これからも機会があれば話してみたいと思いました。参加してくださった皆さん、場所を提供くださったTAKIBIの安藤哲也さん、企画を進めてくださった小野田美都江さんに深く感謝申し上げます。

■後日談
この記事をウィキメディア財団公式ブログDiffに英語で投稿したところ、12月21日に公開されました。

■参考

■更新履歴

  • 2023.12.22: 「後日談」を追加
  • 2023.12.24: TAKIBI店主安藤さんのFBポストを追加