索引の話(3)事項索引

小出いずみ『日米交流史の中の福田なをみ』の事項索引

索引の三つ目は「事項索引」です。こちらは150ほどの事項名を並べました。事項として取り上げたのは書名が一番多く、74件ありました。そのうちウィキペディアの項目として作成したのは野上弥生子の『迷路』と、『日本の参考図書』『渋沢栄一伝記資料』『専門情報機関総覧』といった参考図書類、そして英語版から翻訳した『贖罪』『傷つきやすいアメリカの大学生たち』と、全部で6件です。あとの68件は典拠資料として参照したものがほとんどで、いわゆる参考図書だけでなく、文学書や社史などいろいろです。世界中の全ての本は出典を調べる典拠資料として使える可能性があります。

件数として2番目に多かったのは、「NDLデジタルコレクション」などウェブ上の情報提供サービスの33件でした。「ファミリーサーチ」と「インデックス・トランスラチオヌム」は英語版から翻訳したウィキペディア項目ですが、その他は書籍と同じく典拠資料調査に使ったものがほとんどです。様々なメディアを保存している「ウィキメディア・コモンズ」は、画像の情報源としてたくさん使いました。ただ漠然と使うだけでなく、書籍に載せるために著作権表示をひとつひとつ確認していく作業を通じ、世界中の多くの人々がウィキメディア・コモンズに実に様々な情報をアップロードしていることを実感できました。

いわゆる書籍でなく冊子体で出版されている雑誌が12件、電子ジャーナルが3件ありました。冊子体の方は『』で、電子ジャーナルは「」でくくってあります。もっとも知らないうちに冊子体は無くなって電子媒体だけで発行されているものもあるので、この区分は厳密ではありません。インターネットの時代になってみるみる情報媒体が変化しているのをまじまじと感じています。

そのほか、「WikiGap」や「Wikipediaブンガク」など、ウィキペディア執筆関連で参加したイベント名も事項名にとりあげました。ふりかえってみると、ずいぶんいろいろなイベントに参加してきたのだなあと改めて思います。ウィキペディアは自宅でひとりで編集作業をすることができますが、イベント参加を通じて学べることも多いし、他のウィキペディアンの方たちと知り合えるのは大きな喜びです。

■参考